意味が分からない。
そう思っていると奈々恵が
「そんなの決まってるじゃない。
アプローチするにもあんたは、鈍感で頑固だし
気づかないでしょ?気づいても
断るだろうし。
あんた、小山さんしか見ていないから」
呆れたように言ってくる。
「そ、そんなことは……」
言い返そうとするが確かにその通りだった。
私は、小山さんしか見ていない。
普通にアプローチされたとしても
困ってしまうし断るだろう……。
「それは……」
どう言ったらいいか悩んでしまう。
すると総支配人は、
「確かにめんどくさいことをしてるだろう。
だが、そうなれば若葉……君が必ず捜しに来てくれる。俺を見てくれる。
そう思ったら歯止めが利かなくて
つい……やり続けていた」
「迷子だけじゃなく小山さんのことも
申し訳ないと思っている。
話すと落ち込むと思って言えなかった。
傷つけたい訳じゃなかったんだ」
必死に謝罪をしてくれる。
頬を染めながらも……。
総支配人……!?
それだけ私のことを想ってくれると
分かると心臓がドキドキと高鳴った。
そんな思いで私を抱いたの待っててくれたの?
私に捜してほしくて……
すると奈々恵が私に
「もう許してあげなさいよ?
総支配人は、若葉のことを想ってやったことよ。
悪気もあった訳じゃないし、むしろ
ちゃんと向き合って考えてもみたら?
総支配人の気持ちに……」
許してあげるように言ってきた。
そう言われても……フラれてすぐに
次の男にはいけない。
まだ小山さんが好きなのに…。
でも総支配人の気持ちは、凄く嬉しくて
何だか自分で自分の気持ちが分からなくなる。
胸が押し潰されそうになる。



