「驚かさないでよ~奈々恵!?」

「あ、ごめん、ごめん。
それよりも見たわよ。さっきあんた。
総支配人と一緒に出勤してきたでしょ?」
奈々恵に言い当てられてしまう。

まさか、見られるなんて……

「もしかして、あんた。
昨日総支配人にお持ち帰…うぐっ」
奈々恵が大きな声でとんでもないことを言いそうに
なるので慌てて口を押さえて止める。

「たまたま乗せてくれただけだから
変なこと言わないで……」
必死に誤魔化すように言い返した。

だが、こっそりと奈々恵に
「詳しいことは、お昼に話すから周りに
言いふらさないで」
そう言い口止めをする。

「あ~はいはい。」
返事をするも顔がニヤニヤ笑う奈々恵。
明らかに気づいている……。

私と総支配人に何かあったことを……。

そして昼休みに会社の人が少ない喫茶店で
奈々恵に全て話した。

「へぇっ~とうとう総支配人
動き出したか……意外とじらしたわね」
驚くよりやっとかと言う態度を見せてくる奈々恵。

そう言えば奈々恵は、やたらと私と総支配人を
くっつけたがっていたわね。
あまりのことが多過ぎてすっかりと忘れていた。
 
「何でそんなに冷静なの?」