顔をあげれば潮風が目にしみて視界が歪んだ。
「何かあったなら俺に相談すればいいのに」
彼が私に向かって言う。きっと、友達のような兄弟のような気持ちで。
「こんな寒いところにいるなんてバカだなぁ」
もういいや。
バカはこいつだ。
「おめでとう」
「は?」
祝福の言葉のひとつは冬の海に投げ捨てた。
私の横顔を彼は怪訝な顔をして見つめる。
「結婚、おめでとう」
仕方ないからもうひとつはあげよう。
この大馬鹿者に。
勢いよく立ち上がって、ついた砂をパンパンと払った。
「じゃ、帰るから」
「って、待てよ!」
ずるっと滑る音がした。
歩き出した私を慌てて追いかけようとして滑ったであろう彼を、ざまあみろと思った。
「おいっ、バカ!」
彼の怒鳴り声を遠くに聞きながら歩く。
私は言わない。
こんな馬鹿なやつをずっと好きだったなんて。
END.
プチアトガキ
ふざけずに書きました……
ノンフィクションっぽいですがフィクションです。
深い短編を書きたいのですが浅いです
「何かあったなら俺に相談すればいいのに」
彼が私に向かって言う。きっと、友達のような兄弟のような気持ちで。
「こんな寒いところにいるなんてバカだなぁ」
もういいや。
バカはこいつだ。
「おめでとう」
「は?」
祝福の言葉のひとつは冬の海に投げ捨てた。
私の横顔を彼は怪訝な顔をして見つめる。
「結婚、おめでとう」
仕方ないからもうひとつはあげよう。
この大馬鹿者に。
勢いよく立ち上がって、ついた砂をパンパンと払った。
「じゃ、帰るから」
「って、待てよ!」
ずるっと滑る音がした。
歩き出した私を慌てて追いかけようとして滑ったであろう彼を、ざまあみろと思った。
「おいっ、バカ!」
彼の怒鳴り声を遠くに聞きながら歩く。
私は言わない。
こんな馬鹿なやつをずっと好きだったなんて。
END.
プチアトガキ
ふざけずに書きました……
ノンフィクションっぽいですがフィクションです。
深い短編を書きたいのですが浅いです