私の名前はこの首についてるその名前と同じです。 お月さまのため息でそれは揺れて、ふるえて泣くのです。 「鈴、おいで」 毛糸の声に誘われて、毛羽立つ布をキュとつかんだのはいいけれど、恥ずかしくって床ばっかり見ていたら、 「かわいい」といって微笑まれた。 「鈴はあったかいな」 大きな腕に包まれる私は幸せで、ついその腕に頬擦りした。 くすぐったそうに身をねじるくせにその腕は私を離しません。