「なにそれ。
唯子、初めて会った人にそんなこと言ったの?
そんな勇気があるならクラス替えなんて、全然へっちゃらじゃない!
それで、その人と友達になって、文通するの?
なにそれ!?」

なにそれー!と言いながらまことは私の肩を掴んで揺さぶる。

ああ、ゆらゆら、ぐらぐら。

「だって、あまりにも綺麗で!」

「だからって友達申し込む!?
なにそれ!?」

まことったら、いつもの冷静さはどこへやら、だ。
そりゃ、私だって自分の行動力にびっくりしたけど、そんなに騒がなくても。

「まあ、唯子がよくて、その人もいいならいいのかなぁ。」

しばらくして落ち着きを取り戻したまことが言う。

「うん!大丈夫だよ!
あ、でも困ったことがあったらまことに相談するから、そのときはよろしくね!」

まことはまったく…と言って笑った。
頼られるのはまんざらでもないのだ。