「今日落ち着いてますね。少し寝る時間作りますか?」
夜勤一緒に入っていた一つ上の先輩に提案した時だった。


プルルル…プルルル…

きたっ!!
夜間にかかってくる電話なんてろくなことがない。

できれば居留守を使いたいがここは病院。

そういう訳にはいかない。

「はい。内科病棟の山田です。」諦め電話にでる。

『夜間入院をお願いします。肺炎79歳 女性 高田みよこ です。』

「はい。入院ですね。」
先輩と残念というように苦笑いを浮かべアイコンタクトをとる。

先輩は電話を切る頃には入院の準備をさっさとすすめていた。

「休みたかったのに残念」
先輩が言う。

「ちゃちゃっと済ませて休みましょう」
私が気合いをいれる様に先輩に話す。