暑い夏の日。僕は特にする事もないので、横になっていた。風に揺れる木々の音と、それに合わせて差し込む木漏れ日がとても気持ちがいい。
僕はここで彼女に会うのが楽しみだった。彼女が都心に行ってしまってからは一年で2日だけ、僕に会いにきてくれた。

「彼氏がいるんでしょ?いいの?」

そうやって聞いた時、彼女は

「今日だけは、特別なの」

って答えた。僕は凄く驚いたのと、とても嬉しかったのを今も覚えている。そして、そろそろ“特別な日”のはずだった。