「…………?」





何だったんだろう、今の。




「おっけ。繋がった」



彼は探るように目線を虚空に泳がせながら、ぱちぱちと瞬きを繰り返している。



「繋がったって、何が?」


「僕と、君が。」


どことなく妖艶に微笑んで言うものだから、何かの台詞みたいに聞こえる。


…………はっきり言って、胡散臭い。




「……あの、失礼します。


風邪ひかないうちに帰った方が良いですよ。」




本当に変な人だったら危険だと思い、その場を離れる事にする。






「風邪……。


うん、そうだね。帰るよ。」



何だろう、寝ぼけてるのかな。


独特な間をもって彼が言葉を紡ぐ。







「……とでね。」



ふいに、ざあっと風が吹いて、彼の言葉をかき消した。





「…………………?」





何か言った?


そう目で問いかけても、彼は黙ってひらひらと手を振るばかり。





とりあえず長居をしても良いことは無いと思い、私も公園を後にした―――……