看板の光に照らされて 『彼』が立ってた 『…あんたんとこ 後一時間だから 中、入って待機してって』 『彼』は 片手をジーンズのポケットに入れて 片手の親指で、入口をさした 「ども! すぐ行きまっす!」 先輩が答えた 『彼』は、そのまま ライヴハウスへの 地下階段に戻っていく 「……おい ユカちゃんもしかして… 今の男か?!」 「わかんない…」 ただ首を振った 「…あれは…やめとけ 泣くだけだぞ そういう種類の男だよ」