…悔し涙が出て来て
しゃがんでうずくまった
「…やっぱり
『Azurite』なんて
大っ嫌い!」
『…でも誰も
真似して無かったでしょ
皆『Azurite』を好きでも
コピーバンドじゃないし
あんたんとこのギターは
一生懸命、節回し、真似してたけど』
「真…!!
マキちゃんは
上手いんですよ!
真似とか
言わないで下さい!」
『真似ても
アズライトにはなれない』
「そ…」
−そんなの分かってるよ!!−
「な…何でさっきから
そーいう人を
突き落とすみたいな事ばっか
言うんですか?!
自分が上手いからですか?!」
『…素直に歌えて
羨ましいって言ってるだけ』
「そりゃ素直ですよ!
聞いたままですから!!
『他に何もいらないから』なんて
思った事もないし
友達は『タイムマシーン』で
泣いたって言ってたけど
私は逆に、楽しそうで
いいなって思ったし!!」
『だからだよ』
「なにがですか?!」
ぎゅっと身構えた
−また何か言うんだこの人…
『…なくした物が無い声で
素直に歌ってたから
…皆あんたが歌ってた時
集まって来てたでしょ』


