− 音楽雑誌とかに
写真が載ってるような
髪が長い派手な赤い服着た人だとか
バンから楽器を降ろしてる
足の細い男の人達が
ゲラゲラ笑ってる
煙草を吸ってる
男の人たちの真ん中で
ひとりジュースを飲んでる女の人
黒いボブで、口紅が真っ赤で
すごい目立つ
きっとヴォーカルだ
でっかいウッドベースを抱えてる
かなり大人の人達もいる
− 横を向いたらコンビニがあって
そこからは普通っぽい
どちらかというと
地味な三人組が現れ
ライヴハウスに向かう地下階段に
降りて行く
しばらくすると
帽子は逆かぶり
Tシャツ、ジーンズ
手に紙とペンを持った、
少し小太りの
若い男の人が現れた
「おはようございま〜す」
おはようございます と
自然に全員声を出す
煙草を吸っていた人は消した
「控室開けたので
ボクんとこでチェックしてから
荷物持って入ってくださいね
大部屋なので
ロッカー等はありませんから
貴重品は、各自管理
まず そんな感じで」
パスを出して
1番最後に、チェックを受ける
「え〜
ストロベリーピンクさんね
人数変更は、連絡受けてます
で、今三人だけど
もうお一人は?」
シノが答えた
「今コピーとってて
すぐ来ます」
「了解っしました〜
人が多いかもなんで
ステージの方のホールに
楽器なんかは置いてもいいです
あ、人は念のために
必ず一人ついててね
午後からは
撮影隊、今も準備してますが
カメラ入るんで
床には何も置かずによろしく
え〜
一応未成年さんなのもあるし
出演者の方は、途中の空き時間
駅の方に行くとか
なるべくやめてね
これは、みなさんに言ってます
時間に間に合わないとか
穴あけないように。
怪我等しない様に
一日楽しく、真剣に行きましょう
よろしくお願いします!!」
『よ、よろしくお願いします!!!』
…三人共 一気に 緊張した
− 学校の文化祭と
空気が全然違う −


