朝
「おはよー!」
『おはよ〜〜!!!』
急行が出る、竹殿の駅前で
三人が待っていた
これに乗れば
途中で砂川で乗り換えて
新宿駅まで一本で行ける
「ユカ〜
チケット、誰に渡した?!」
「…ぉ父さんとお母さん…
そういうシノは?!」
「うちもお父さん!
もう一枚は、マキちゃんの
お兄さんの分に渡した
ドラムセットでお世話になったから…」
「ありがとね
兄貴今日、遅くなるけど
本番には来るって
ユリは彼氏さんに
送ったんだっけ?」
『ええっ?!彼氏いたの?!』
「う…うん
今、東京にいるから
ちょうどいいかな〜って…
仕事遅いから
見に来られるかわかんないけど…」
『おおおう 大人の恋…』
シノと声を合わせた
「マ… マキちゃんは
誰に渡したの〜?!」
「加藤さんと、リナに渡したよ」
「え… 会ったの?!」
「ほら 加藤さんが
東京出るって
言ってたでしょう
引越しの手伝い行ったのよ
その時、リナが来てて
加藤さんが頭下げろって
ヴォーカルやりたいって
言ったのも
加藤さんの気を引きたくて
した事だから
練習するとか考えた事
無かったし
一緒に協力するとか
荷物運ぶとかしなくて
ゴメンナサイって言ってたよ」
それにシノが答える
「でも、リナは
やたらお菓子持ってて
練習の時くれたしね」
「確かに、お腹空いた時
リナは良くくれたなー」
ユリが言う
「…でもさ?
もし今日来てさ?
いきなり本番で『歌わせて〜!!』とか
言ったらどうする〜?」
シノが
「 あ〜 有りそう…」と言った
すると
「それはさせない。
カラオケじゃないもの」
そう、マキちゃんが強く言った
…そうだよね
うん


