ゆっくり歩いて −そして立ち止まった『彼』は 素肌の背中を向けたまま 言葉を吐く 『好きってなんだよ…』 「……好きなんだよ…」 − 顔をぐしゃぐしゃにしながら 私は答えた 『 何を』 「や…さしぃトコだよ……」 『…誤解してる 朝…荷物移動したのも 探したのも それがアンタじゃなくても 俺は やってた 』 「……わか…ってるょ………」 − 鳴咽が とまらない 息が出来ない 一度吐き出してしまったら もうどうしようもなかった