Turquoise Blue 〜空色のベース〜



倉庫の鍵を開ける

ちょっとペンキくさい。

ドラムを皆で
ここから運ぶのだ


シンバルとか
スネア、バスドラ、ハイハットとか
使う部分に名前がある


金属の塊だから
うちらには結構、どれも重い



足の所でドンドン!って踏む
丸い本体は、一人じゃ無理だ


これを運んで
シノは、自分の良い位置に
椅子に座りながら寄せる



ユリちゃんは
コンセントを入れてから少し待って
キーボード本体のスイッチを入れる


マキちゃんは
黒いギターケースから
赤いレスボールを取り出し
チューニングメーターって言う
機械を繋げて

ギターの一番上の
ネジみたいなトコをいじりながら
弦の音を正しく合わせている



そして
エフェクターとか言う
押すとギターの音が変わる奴の
小さなボタンを回していた



…私はまだ、よくわからなくて
チューニングはマキちゃんに
やって貰っている





「遅くなってごめえ〜ん!!」




…リナがやって来た


リナは絶対
皆が支度し終わってから来る。

爪が痛むから
ドラムを運ぶのが嫌なのだ


いそいそと倉庫に向かい
マイクと、小さいアンプを運んで来る



リナが支度している間にマキちゃんが
ギターのスイッチを入れた


ヴーーと音がして
一回手で押さえる。



治まった。





ドン ドンドン シャーンとシノ

ユリちゃんは『Azurite』の、歌の無い
曲だけのを弾き始める



「ユリ もう弾けるんだ」

マキちゃんが声をかける


「昨日帰りにソッコーCD買って
夜 おぼえたど〜」と ピースサイン


マキちゃんも、笑ってる



『Azurite』は
楽器の人もすごく上手くて
なんでもベースのセンスがすごいそうだ


そのままはまだ無理だからって
マキちゃんが自分で
コード表を私に、つくってくれた





ずーっと

ぼんぼんぼんぼん♪

押すトコ変えて
ぼんぼんぼん♪


ぼぼぼ ぼぼぼ♪