今度こそ幸せに…Ⅰ



「それで、舞夜は?」

「ヘモグロビン濃度が3.5で、直ぐに輸血をしたのですが、今だに意識が回復しません」

「そんな……」

「ヘモグロビン濃度が、3.5?
本当に、そんな数値だったのか?蒼」

「あぁ、深夜がそう言っていた」

「貧血だなんて騒ぎじゃないぞ、その数値は…」


親父とお袋は医者だ

ヘモグロビンがどれだけ大事なものかは分かっているし、そのヘモグロビンがそれだけ少いと、どれだけ危険かは十分に分かっている


「そう言えば、深夜は?」

「深夜だったら、医者に呼ばれて何処かへ行きました」

「そう…深夜だって、辛いでしょうに……」


俺達が、そのことについて言おうかどうか迷っていたところへ、深夜がやって来た


「お父様、お母様…何故、こちらに?」


どうしてここに居るんだろう、と本気で思っているような声色でそう尋ねる深夜は、さっきと同じように悲しみなんて一欠片も見当たらない、自然体だった


「医者が連絡してくれたの
深夜は他のことで手が一杯だからって」


深雪さんが、戸惑いを含んだ表情と声色でそう言った


そして、他の全員が、深雪さんと同じような表情をしていた