今度こそ幸せに…Ⅰ



「だって、もう努力しなくても、どんな時でも平常心でいられるんですよ?
楽だと思いませんか?
メイドがどんな失敗をしたって怒ったりしない、いつも笑って水に流す
それを繰り返していく内に、メイドから私達は大らかで心が広い何て言われるようになりました
でも、本当は違うんですよ…怒りが、沸いてこないんです
もう、喜怒哀楽全ての感情がどんなのだったか、思い出せないんです
感情を……忘れたんですよ、私達は…
だから、例え舞夜が昏睡状態になるかもしれなくても、私は平然と、自然体でいられるんです
恐らく舞夜も、私が昏睡状態になったとしても平然としていられると思いますよ?」


・・・・・・・


絶句…

その言葉が、今の俺達の正しい表現方法だろう


「表面上では、なんとでもなるんですけどね」


そう締め括った深夜に、本当に何も言えなくなった


そして、華京院家と鬼龍院家と言う、重みが今、漸く分かった

今までは分かっているつもりだった


本当に分かってなんて、いなかったんだ……