「私達は華京院家と鬼龍院家の一人娘
つまり、次期社長となる存在…
それは言葉で言う程、軽いものではありません」
全員が訳が分からない、と言った表情をしていると、深夜が静かに語りだした
「いつ、どんな時でも冷静でいなくてはならない
焦りとは命取りだから…そう思って過ごしてきました
私も、そして舞夜も…
私達にあまり会いにこない両親を見て、何でもできるようにって思って、どんなことでもしました
でも、私達の成績がどうであれ、お父様達は私達に興味がないものだと、そう思い至ったんです
それと同時に、感情を制御する必要があると思ったんです
悲しみに押し潰されないように、不安に負けないように、孤独に飲み込まれないように、怒りで我を忘れないように…
その為にまず、兎に角感情を表に出さないようにしてきました
そうすると、段々と自分の感情を言葉に出して伝えたり、行動で表現することができなくなっていったんです
そして、段々と自分の感情すらも理解できなくなっていったんです
笑えるでしょう?」
そこで言葉を切った深夜に、俺達は何も言えなかった
華京院家の、鬼龍院家の人間であることが、そこまで深夜と舞夜を追い詰めたのだと思うと、何も言えなかった…
「私達からすると、それはとても都合の良いことでした」
そして、また深夜が語り出した

