「「甘いのではないのですか?」」
「甘い?」
「だって、そうではありませんか」
「私達の家、つまりは鬼龍院家と華京院家の両家は、何百年もの歴史を持つ、日本有数の名家であり、その名は日本どころか世界中に影響力を持つ家です」
「その家の子供である私達は、その家名に相応しい家の者と結婚するべきです
貴方方はお互いに愛し合い、そして結婚をしました」
「貴方方にとって、それは幸せなことだったのでしょう
好きな人と結婚することができたのですから」
「だからと言って、誰しもがそうなるとは限りません
寧ろ、そのような結婚は一般人でもない限り無理に等しいはずです
私達のような家柄に生まれてしまえばそれは当たり前のことです」
「貴方方は、私達に恋と言うものをしてほしいのでしょう?」
「そして、愛情が何か知ってほしいと思っている」
「だからこそ、婚約者ではなく、婚約者候補という形で何人かの人を選び、それを私達に決めさせようとしている」
「その考えを甘いと言わずして、何と言うのですか」

