舞央のその言葉で思い出すのは、蒼君達から教えてもらったあの言葉


「深夜達が言ってたんです
『私達は、親の愛情を、知っているのに知らないんです』って…」

「意味はよく分からないんですが、話しておいた方がいいような気がして…」

「深夜達、物凄く寂しそうだったんです」

「それに、悲しそうでもあって…」


親の愛情を知っているのに知らない、かぁ

どういう意味かは知らないが、今の舞夜達を作りだしているもののうちの1つであることは間違いないんだろうな…きっと


そんなことを思っていると、舞央と深雪がしゃがんで墓石に手をついた


「神代ユリさん、あの子達にとって、貴方がどんな存在なのか、それは私達には分からない」

「でも、お願い…
深夜達を、私達の大切な娘を、連れて行かないで…」


その場に2人のその言葉が響いた


「深雪…」

「舞央…」


その悲痛そうな声に、何も言えず、声を掛けることしかできなかった