〜棗side〜


舞夜と深夜が立ち去って、姿が見えなくなったのを確認してから、俺達は2人がいた墓の前に立った


「神代、ユリ…」

「誰、なのかしらね」


舞央と深雪がそう呟いたのを最後に、誰も何も言わなくなった


それだけ、舞夜と深夜が話した内容は俺達に衝撃を与えた


それに


「深夜達は、死を望んでいるのか?」

「「「・・・・・・」」」

 
蓮の発したその言葉に誰も何も言わなかったのは、きっと否定出来るだけの理由がなかったのと、同じことを全員が思っていたからだろう


そもそも今日は、毎年この日になると悲痛そうな面持ちで出掛ける深夜達に嫌な予感がして、付いて来ただけだった


そして、その予感は的中した


「どうして私達の思いは、あの子達に届かないのかしらね…
どれだけ思っても、あの子達にその思いは届かない」