今日は、穏やかな風のふく温かい日

私達は今、見晴らしのいい丘に来ている


「こんな日なら、あの子も穏やかに眠れるよね…」

「そうだね…
きっと、安らかに眠ってるよ」


そう、今日は…私達にとって大切な日

私達の大切な人が、死んだ日


「今日はいい天気ね…ユリ」

「こんな日は気持ちよく眠れるの?
ユリ…」

「ねぇユリ…
今の私達を見て、どう思う?
あの日、あの時から、私達は一歩も前に進めていない…
そんな私達のことを、どう思う?」

「私達にとって、貴方は大切な存在だった…
貴方が居なくなっただけで、私達は心の半分を失ったようにすら感じられた
それだけ貴方は、私達にとって大切な存在だったの」

「罪を償うまで、私達はあなたの元には行けれない
そう決めたから、だから…」

「だから…今は寂しいかもしれないけど、もう少しだけ待ってて」

「「貴方を1人にはしないから…」」


貴方だけ、冷たい土の下には居させない


私達も、すぐに行くからね…


私達は知らなかった…お父様達が、この場面を見ていたなんて…

お父様達が、私達の言葉を聞いていたなんて…知らなかった