今度こそ幸せに…Ⅰ



〜蒼side〜


「今日はアッサムを持ってきたよ」

「アッサムですか?」


奏が持ってきたアッサムを見せると、途端にキラキラとした目になり、顔が輝いた


それでもやっぱり、2人の目を覆う闇は消えなくて…それでも、ほんの少し輝く2人の顔を見たくて、俺達は紅茶の茶葉やコーヒー豆を毎回持って来る


「アッサムなら、ミルクティーにして頂きましょうか」


せっせと動く深夜を見るのが、俺の至福の時だったりする


「いつも、こうやって紅茶の茶葉やコーヒー豆を持って来てくださって、本当に有難うございます」

「気にしなくていい」

「そうですよ、私達がやりたいからやっているだけなんですから」


はっきり言って、俺達がいつも茶葉やコーヒー豆を持ってくるのは2人の為というのもありはする

が、どちらかと言うと、俺を含めた全員、自分の欲のために持ってきている


だから、お礼を言われるとなんとも言えない気持ちになる