「ゃ……深夜、舞夜、どうした?
具合でも悪いのか?」

「な、何でもないですよ
少し考え事をしていただけですので」


いけない…

前世のことを思い出すと、どうしても思考のどつぼに嵌ってしまう


「本当に大丈夫?」


かなり考え込んでしまっていたようね

私も舞夜も…


その証拠に、彼等の顔が心配そうに歪んでいる


「大丈夫ですよ
心配をかけてしまって、申し訳ございません」


今世では、全てのことが新鮮で初めてのことばかりだった

人との関わり方だってそう


前世ではできなかったことばかりで、これが生きることを楽しむ、と言うことなのだと知った

生きることは、苦痛なことばかりではないのだと知った


まだ対等な人との関わり何かは苦手だけど、彼等が変わろうとしているように、私達も変わらなければならない


彼等と居ると、そんなことを思ってしまう

それは、彼等の人柄のおかげ……なのかな?