〜奏side〜


「あの2人と話したことは、お前にとって一生の宝になるだろうな」

「早いうちに気がつけて良かったわね、奏」

「うん、あの2人と話ができて、出会うことができて本当に良かった」


あの2人に目を覚まさせてもらった


大切なことを失念していた

あの2人のおかげで目が覚めた


『貴方方だけが、媚を売られ、そして利用されてきたわけではないのですよ?』


言われてから気がついた

僕と同じ立場の人間なんて沢山いる

僕達の両親に、あの2人と、その両親だってそう


それに、あの2人の方が僕達の家よりも立場があるんだから、僕達以上に媚を売られて、利用されてきたに違いないのに


ただ、女だから…

そう思って、今までの女とあの2人も同じだと、そう勝手に判断していた


それじゃあ、外面だけで僕達に寄ってきた奴等と何も変わらない

僕は、自分がされて一番嫌なこと、あの2人にしたんだ