「親も一緒に住んでいなかったって言っていたけど、それはどういう意味?」
「そのままです
両親は、仕事で忙しいことを理由に、私達と会おうとはしませんでした
年に1回会っていた程度です
だから、両親は私とユリのことを見分けることなんてできませんでした
私達を完全に見分けることができたのは、玲沙だけだったんです
メイドも、執事も、誰も私達を見分けてはくれませんでした」
見分けて欲しかったんだろうな
双子なら、見分けにくいことはあるが、親なら見分けられる筈
それが、見分けてくれないどころか、年に1回しか会えないなんて……
「両親は両親なりに私達のことを思っていてくれた、と言いましたよね?
あれは、道具として、という意味です
両親は、私達を仕事で使う道具として産み、仕事の駒として育てました
まぁ、腕に抱かれたことも一度だってないですし、育てたのは別の人間でしたけどね」
淡々と喋る深夜が、今何を思っているのかは分からない
それでも、何処か悲しみを含んだ声していることからして、両親に愛して欲しかったんだろうということは分かる

