一人ひとりの名前と、その財閥が何を主としているのかを思い出し終わった頃、タイミング良く両親達の挨拶、と言うか雑談が終わったみたいだった


「それじゃあ、改めて紹介するわね
深夜と舞夜から見て、向かって右側から一条蒼さん、翠川碧さん、鳳伊織さん、篠宮奏さん
この4人が貴方達の婚約者候補よ
御挨拶を」

「初めまして、一条様、翠川様、鳳様、篠宮様
私は華京院深夜と申します」

「私は鬼龍院舞夜と申します」

「「以後、お見知りおきください」」


笑顔でそう挨拶をすれば、両親達は悲しそうな顔をし、彼らの両親達は顔をすこし歪め、彼らは何処か心ここにあらず、というような顔をした


何故そんな顔をされるのか、理解は出来ないけど、理由は分かっている


恐らく、この笑顔にある


昔、両親に言われた事がある

どうして笑ってくれないのか、と

笑っていると答えれば、心から笑っていないと言われた

それに対して、当たり前だと答えた時の表情によく今の彼らの顔はよく似ているから理由は分かる

理解は出来ないけど