何で、うちに??




「莉子、さっき噂してた“残念なイケメン”。」




隣に立つ兄がとりあえず私に紹介した。




「うん。分かってる。」




めんどくさそうに返事をした私に、 兄はとんでもない発言をした。




「こいつ、今日からウチに居候すっから。」



「・・・」




は?


開いた口が塞がりませんけど…


ぽかんとする私に、当の本人は…




「よろしくなー、チビ子。」




爽やかな笑顔。


それが兄の普通の友達なら、きっと私はきゅんとときめいてただろう。


だか、この男は例外。




「はぁーーーー!??」




叫ぶのも仕方ない。




「まぁまぁ、ちょっととりあえず落ち着いて聞け?話すから。…っとその前に、コーヒーでいいか?」




「おお。悪いな。」




コーヒーを淹れにキッチンへ入っていった兄、
そして遠慮なくソファに…それも私の横にドカッと腰を下ろす残念なイケメン。




ちょ…何で、隣に来るのよっ。


ズズッと距離を置くように移動する。





「久しぶりだな、チビ子。」



「チビ子って呼ぶなっ。もうチビじゃないし!





「何だよー、変わんねーよ。
俺にしちゃ、まだまだチビ子だよ。」




とか言って、頭をなでなでしてくる。




「ちょ、気安く触んないでってば。子供扱いしないでっ。私もう高校生なんだからねっ!」



「ははは!
チビ子、昔から言うこと一緒だな!」




くぅ……ムカつくっ!


そうだよ。こいつ昔っからこうだった!
学校帰りに遊びに来ても、小学生の私を何かといじめて遊ぶイヤな奴だった!





「おうおう、相変わらず仲いいなお前ら。」



「仲良くない!!!」




コーヒーを持ってやってきた兄に本気で言い返すけど、たいして相手にされず。



てか!
そんなことより!




「それで!どういうことか、説明して!
というか、私は反対だからね!」




問題はさっき言ったことよ!




「ああ、それな。」



「俺、今日アッチから帰ってきたばっかでな、住むとこねーんだわ、こっちで。」



「そ、だからとりあえず俺の部屋空いてるし、住めばいいよってことで…」



「本当に助かったわ~。おばちゃん達も普通に歓迎してくれたし。」




ちょっと、ちょっと。


は?


おばちゃん達も…って、お母さん達も知ってたの??


それも普通に許可しちゃったの?