「由圭、また明日ね!」
「うん!おつかれー!」

部活終わりの帰り道、友達と別れ、1人で家に向かって歩く。
夏も終わりに差し掛かり、最近では日の入りが早くなった。秋まえの風は、部活汗をかいた体にはすこし肌寒い。
「ただいまー」
「おかえり由圭。手洗って着替えたら、少し手伝ってくれない?」
「うん。一旦、部屋いってくるね!」
私の家は5人家族。父と母、社会人の姉が1人と大学生の兄が1人、私。あと、コーギー犬のモモ。姉は結婚していて実家から離れて暮らしていて、兄も彼女と同棲しているから、今は父母とモモと暮らしている。平凡だけど、どの家にも負けないくらい明るい家庭だと思う。
「お母さん、何したらいい?」
「外に干してある洗濯物、取り込んで畳んでもらえない?それと、今ある洗濯物回してほしいな。それが終わったらもう大丈夫だから」
「りょうかい!」

お母さんに言われたことをやり遂げ、自由を満喫していたとき。
ーピンポーン…
不意に家のベルがなった。
まだ7時前。父が帰ってくるには少し早い。
「はーい…」