「うわ、泣くなよ。大丈夫か?」
「だって、本当に嬉しくて。嘘じゃないんですよね?」
「本当だから。それに、気づいてなかったと思うけど、俺ずっと大沢さんのこと見てたんだよ。
クラスのみんながやっていないところをさり気なく、いつも1人でやっていたよね。
そんな姿を見ているうちに、大沢さんと話してみたいと思ったんだよ」
知らなかった。
そんな私を見てくれている人がいたなんて。
「あ、りがとう、ございます」
しゃくり上げてしまい、上手く話せない。
そんな私の頭を優しく撫でる大きな手は、早川君のもので。
涙が止まらなかった。


