私の沈黙を気にすることもなく少し考えていたジェイクが言ったのは、
「ん〜、ありすそんなのカンケイない。
おうじとしてのオレじゃなく、ひとりのオトコとしてオレがありすをほしいだけ。
ありすのミリョク、オレだけがしってればいい」
えっと…そんなことをニコッと笑って言われましても…。
どういう意味?
私が意味を理解できずにいると、またジェイクが少しだけ困った顔をした。
「それに、オレにとってありすをあきらめることは、ほかのぜんぶ、あきらめることとおなじ」
「全部を諦める!?」
予想外の言葉にびっくりして、おもわず聞き返していた。
「そう。オレがオレでいることにイミがなくなる」
「よくわからないけど、それはダメ!
ジェイクがジェイクじゃなくなるなんてジェイクが王子じゃなくなるよりもっとダメだから!!」



