アラビアンナイト



「ほっとけない。ありすがイヤならオレ、おうじやめる。
サウードおうのてつだい、おうじじゃなくてもできることさがす。
UAEにかえらなくてもオレはへいき。
ニホンゴがんばるし、オハシはもっとがんばる。それじゃダメ?」

ジェイクが少し首を傾げて、また困ったように笑った。

「王子とか国とか家族とかを捨てて欲しいんじゃないの!
私が…単に私がジェイクと釣り合うかどうか…自分に自信がないだけなんだよ…」

ジェイクの困ったような笑顔をこれ以上見ていたくなくて、ついに私の弱い部分を言葉にして口から出してしまった。

一生懸命に言ったつもりだけど、最後の方は声も小さくて弱々しくなってしまった。