「い、イケナイこと?
イケナイかどうかはわからないけど、昨日のお風呂上りに私って汗臭いのかも、って思う瞬間があったの。
だから、今日は昨日よりちゃんと洗おうと思っただけだよ?」
戸惑いながら忍ちゃんに返事すると、
「昨日の夜、お風呂上りに汗かくようなことしたっけ?」
舞子にキョトンとしながら言われてしまった。
だから、私は昨日の夜の男子部屋での一件を簡単に説明することにした。
斧田さんの近くでお湯に浸かっている佐々木さんのことを考えて、彼女の名前を出さないようにしつつ。
他の男子から距離を取らされただけでなく、姿も見せないように奏太自身が身を挺して壁になってくれたところまでの話を…。
「で、ありすは、自分が汗臭いせいで伊藤君が自分を他の男子に近づかないようにしてくれたんだと思ったわけだ?」
まっつんが少し目を細めながら聞いてくるので、ちょっとドキッとしながらうなずいた。



