でも、それでも健太の声を無視して走り抜けた。
「涼介!ありすを止めてくれ!!」
背後から聞こえた健太の声にハッとして顔を上げたけど遅かった。
涼介は健太のバスケ仲間の1人で、瞬発力とジャンプ力がピカイチ。
走る速さも短距離なら仲間内ではダントツでトップだ。
その涼介が健太の声に反応して振り向いたのと、私が涼介の姿を数メートル先に確認したのがほぼ同時だった。
この距離で私が涼介に捕まらずに済む可能性はゼロだけど、それでも今更足を止めるわけにはいかなかった。
だって、追っかけてきてるかどうかわからないけど、今ジェイクに捕まることは私にとって果てしなく恐怖でしかないから。



