だからってわけじゃないけど、今はこの掌から伝わる熱を幸せな思いで噛み締めていたい。
例えこれが一時だけのもので、いずれ失われる温もりなんだとしても…。
そう思ったら、胸が締め付けられるように苦しくなった。
苦しさを紛らわせようと、無意識のうちに胸のあたりの服をぎゅっと握りしめていたら、私の半歩前から聞こえていたグラウンドの土を踏みしめる足音が止まった。
自然と私も足を止める。
「「……」」
また沈黙。
本当ならこの沈黙は嫌じゃないはず。
むしろ少し心地よかったりするんじゃないかな?
だって好きな人と2人きりなんて、幸せ以外のなにものでもないもん。
なのに今はすごく苦しいよ…。
ねぇ、ジェイク。
どうして私をここへ連れてきたの?
どうして他の女の子じゃなくて私なの?
今ここで2人きりになる必要があった?
心の中に疑問が次々と湧いてくるけど、それはぐっと飲み込んだ。
そして、こみ上げそうになる涙を誤魔化すように満天の星空を見上げた。



