それなのに奏太ときたら、
「気をつけなよ」
と、何もなかったかのように私の頭をポンポンとして、
「はい、次は俺の番だからありすは台から降りてね」
なんて、私を台から降ろすと、自分は台を使わずにちゃっちゃと天体望遠鏡を覗き込み始めた。
私はというと、まだちょっと呆然としていたけれど、ずっとそこにいると他の人の迷惑になるし、忍ちゃんに
「ありす、顔真っ赤じゃない」
って言われながら腕を引っ張られたのもあって、なんとかそこから移動してグラウンドへと出た。
だから、その私の後ろ姿を、僅かながらも眉間に皺を寄せたジェイクが見ていたなんて知るわけがなかった。



