斧田さんの機嫌の良さの裏に隠された策略に気づくわけもない私は、 「わかった」 と言うのが精一杯だった。 「話はそれだけよ。じゃあね」 そう言うと、斧田さんは足取りも軽やかに階段の裏から出て行った。 それとは反対に、私はなかなか足を動かすことができなかった。 理由は斧田さんが教えてくれたジェイクの言葉の数々が頭の中をぐるぐると回っていたから。 私がその暗がりから出られたのは、心配した忍ちゃんと奏太が探し出してくれたからだった。