アラビアンナイト



ジェイクが私と先輩たちとの間に立った。

私の視界が彼の大きな背中でいっぱいになる。


「ありすはオレのたいせつなひと。キズつけるのはユルさない」

ジェイクの言葉に先輩達が息を飲むのがわかった。

ジェイクの無言の圧力に押し負けているのか、しばらく沈黙が続く。


「…大切ってどういう意味?」

やっと絞り出すようにして、誰かが質問してきた。