「あ、ありがとう」

たぶん、また真っ赤になってるだろう顔を見られるのが恥ずかしくて、咄嗟にうつむいた。

だから知らなかった。

セリム君だけじゃなく、忍ちゃんまでもが生温かい目で私たち2人を見守っていたことを…。

そして、たくさんのギャラリーが様々な感情のこもった燃えるような目で、この光景を見ていたことも……。