ブレスの音さえも響き、圧巻される会場内。 その客席の一角に、私たちは座っていた。 開会式なんて30分も前に終わっていて、次の団体の演奏を聞いたら、私たちもリハーサルに行かなければならない。 私はもうすでに怖気づいていた。 全国でも有名な合唱コンクールの九州大会。 出場するのは県大会を突破した強豪校ばかり。 そしてその団体に所属する部員数は、どこも30人以上。 ――――ただ一つ、私たちの学校を除いては。