この年は例年より、降雪量が少なく、過ごし易い日々が、続いていた。 派遣会社からの紹介で電機機器の会社に今日から行く事になっていた。
ほとんどが、おばさんか、若くても年下ぐらいだった。まぁ何とかなるだろう。ボクは単純にそう考えていた。
「あっ!やっぱりね」
声をかけて来たのは、知り合いの女の子だった。
「少し前にス‐ツで来ていたの見かけてさ」
「細かい仕事だね、慣れるまではしばらくかかりそうかな」
いつもは彼女と会っても必要以外の事しか話さなかったのだか、なぜか話しが弾んだ。
ボクは約4年ぶりに異性をいいなって思えるようになった。周期が約4年周期にくるのだ。新婚旅行でサッカーワ‐ルドカップを観戦しに行くのが、僕の願望だからだ。 親とか友達には、馬鹿にされるがサッカー好きには一生涯の夢である。
ボクは彼女を思い切って食事に誘った。
「いいよ。じゃあ今度の土曜日がいいかな」
僕は心の中で「ヨシッ!」と叫んだ。
そして、約束の日になった。待ち合わせ場所に彼女はやってきた。
「誘い受けてくれてありがとう。じゃあいこうか」
「うん」
僕たちはつい最近出来たというインド料理店に入った。
スパイスの匂いが店内中に充満していて、食欲を誘った。
「よくこんな店知ってるね」
「前から気になってたんだよね」