「椎名さん、宜しくね。」

「こちらこそ。宜しくね。」

あたしは、微笑んだ。
こんなの、何年ぶりかな?
と、思いながら。

「どこから来たの?」

「あたしは、横浜から。」

「そっか、じや、ここにも来たことはあるんだね。」

「えぇ。ここは東京じゃない。」

相手も微笑んだ。
彼女は、『天野遥』。

「遥さん、可愛らしい名前ね。」

「え、そうかな。」

「うん。その名前で一生生きていけるなんて。幸せじゃない?」

「そ、そうだね。」

可愛らしい。
そんな少女だった。
少し、しおちゃんに似ている。