「ママ、あたしを虐めたの、誰か、わかったかもしれない。」

「え?」

「羽田実氷空。」

「!!!!」

「それって、椎名ちゃんを虐めた、あの子。」

「うん、しおちゃんとあたし、条件が似すぎていたの。だからね、思い出すことにしたの。そしたら、『羽田』って名字が頭に浮かんだの。それは、実氷空。」

ママは驚きを隠せずにいる。
そうだよね。 
昔、娘のすべてを奪った人間が近くにいたなんて。