「合唱祭の席を発表します。」

先生は、黒板をチョークでコツコツと叩いた。

「席は、出席番号順です。」

でた。
出席番号。
あたしの隣、実氷空?

「あーあ、畠中の隣かよ。」

ボソリと実氷空がつぶやいた。
いつもの声より比べられないくらい低い声だった。



ドキリ。



あたし、地獄耳だからなぁ。
聞きたくないことは耳に入るのよ。

あたしが、『佐藤泉』だったら、実氷空の隣には、ならなかったのになぁ。