『泉ちゃん。』

 口パクであたしを呼んだ。
 声、出ないのかな?

『どうしたの?』

 あたしはケータイにうちこんだ。

『あたし、耳と声がおかしくなった。声は出ないし、耳は聞こえない。』

「!!!!!!」

びっくりしたよ。
声が、なくなったなんて。

『助けて。』

言われなくても、そうするつもりなのに。

『わかった。』