フェンスがガタガタと風で揺れる。

「やめて、嫌!真緒ッ!!!!!」

あたしは瞬間的に手を伸ばす。
でも、しおちゃんはあたしの手を、掴まなかった。

「バイバイ、和泉……」

フェンスにかけていた指や足をバッと離した!

お、ち、る。

「やめてぇぇぇぇぇぇ。」

あたしの声が、この冷たい空気を割くように響き渡る。

「まーーーー、おーーー!!」

返事は、ない。