「あたしはね、高橋百合って言うの。
あたし、小学生のとき、あんまり勉強できなくてね、仲の良かった実氷空に教わっていたの。
でも、あたしは、恋をしてしまった。
未氷空の彼氏と。
それがバレてから、あたしは虐められた。」

「あ。」

「バラされたくないのはね、あたしの本名。」

「本名?」

「この辺りでは、あたし、有名になったの。『他人の彼氏とった。』ってね。だから、あたし、本名で生きれなくなったんだ。」