「それがね、未氷空ってば!」

「ねぇ。」

「?」

「未氷空って、誰?」

しおちゃんこと、椎名真緒が、ピクッとペンを止める。

あれ、
気のせいかしら。
彼女、無理してるんじゃ?
あたしの質問に。
無理、してない?

「知らないよね、未氷空のこと。」

「うん。」

そう。
あたしは知らない。
あたしは、小学校は皆と違ったんだ。