はっ!
寒気がした。

まさか!

あたしはポケットから、あの紙切れを取り出した。

書いたの、この人?

でも、女子の文字には変わりなかった。
綺麗すぎるもん。


「前の人、邪魔。」

「ホント、この人だけ、違うところ行ってほしいよね。」

近くの席の人達がクスクスと笑う。
あたし、そんなに嫌われていたの?

「あんた、邪魔。」

聞こえない。
正確には、聞きたくない。

「おーい、聞いてんの?無視か?」

五月蠅い。
黙れ!!



「あんた、耳おかしいんじゃないの?」

チクリ。