そのままベッドのはしごを登り、掛け布団を勢い良くがばっと剥がします。

「しょーへー、起きろー!朝だぞー!」

「もう……朝からうるさいよ」

「ふふ。ちい兄が起きたら静かにするもんね」


わたしと同じ岬小学校に通う祥平(しょうへい)兄ちゃん。小さいお兄ちゃんだからちい兄って呼んでます。今年で5年生になりました。


小さい頃から一番よく遊んでくれたのは、年も近いちい兄です。

わたしが小学校に入った頃は一緒に学校にも通ってたけど、最近はそれぞれの友達と別々に通うようになりました。


だけど今でもとっても仲良しだから、小学校の友達には羨ましがられるし、わたしもそれはすっごく自慢。


すると突然目の前が真っ暗になりました。

わたしが剥がした掛け布団をちい兄が奪い返して、布団の上からわたしのことを抑えつけたのです。


「街を破壊する怪獣ナナを確保しました!」

「きゃー!大魔神が現れたー!」


こんなやりとりをしていると必ず一階のリビングから、

「祥平、名菜、早く降りてきなさい!」

ってお母さんに怒られちゃうんです。