『御波沢沙也加』

赤ペンはノートを走る様に文字を書いていく。

いらない。
いらない。
あたしを、嫌がる人は。
誰であっても、いらない。

「里夜、沙也加ちゃんが、交通事故にあってね、入院したの。死にそうなんだって!」

フッ。
あいつ、今頃どんな顔してるかしら。
クスッ。
考えただけで笑えるわ。


「里夜なんて、いらない。」